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九州初の「ECMO(エクモ)カー」導入 福岡大学病院


週刊経済2021年10月26日発行

県内外の広域搬送も可能に

福岡大学病院(福岡市城南区七隈7丁目、岩﨑昭憲病院長)は、ECMO(体外式膜型人工肺)を装着したままで重篤な呼吸不全患者を搬送できる「ECMO(エクモ)カー」を九州で初めて導入し、10月1日から運用を始めた。
同病院では、新型コロナウイルス感染症に罹患した重篤な呼吸不全の患者にECMOを使った治療を施し、多くの治療実績を収めている。昨年7月にはECMOセンターを設置し、重症患者をさらに積極的に受け入れるとともに、ECMO治療に必要な技術の向上および人材育成にも寄与している。
今回導入したECMOカーは、ECMO搬送用ストレッチャーをはじめ高容量バッテリーや酸素ボンベなどを搭載するほか、ストレッチャーの両側には60㎝という広い活動スペースを備えた。「動く集中治療室」として福岡県内外の広域搬送も可能で、災害時にはDMAT(災害派遣医療チーム)用のドクターカーとしても活用できる。石倉宏恭ECMOセンター長は「こちらから出向いてでも早く救命処置をする『攻めの救急』をさらに進めていきたい」と抱負を述べた。